〔2023年度〕環境化学博士 山川茜先生による「今日からあなたも水銀博士」

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プロフィール

環境化学博士
山川 茜 先生

国立研究開発法人 国立環境研究所 環境計測研究センター 基盤計測化学研究室

◆略歴
神戸大学理学部(学部)
東京大学大学院理学系研究科(修士)
岡山大学大学院自然科学研究科(博士)
◆専門分野
地球環境化学、宇宙化学、同位体分析
◆著者
日本環境化学会編「地球をめぐる不都合な物質ー拡散する化学物質がもたらすものー」講談社ブルーバックス(第3章 水俣病だけではない「世界をめぐる水銀」執筆)

ワークショップ内容

今日からあなたも水銀博士

水銀は、元々自然の中にあるもの。歴史を振り返ってみると、水銀は便利な金属として活用されてきました。
ただ、ご存じの通り、人間の体にはよくありません。水俣病は皆さんご存じだと思います。
今、日本では、水銀が使われていた多くの生活道具も徐々に規制されて新しいものに変わりましたが、世界ではまだまだ使用されています。そして、それはすぐに日本の上空にも届くことをご存知ですか?
お話を聞いたこども達が、環境問題や社会問題に目を向けるきっかけにしてくれることを願います。
<先生からのメッセージ>
1998年10月29日にフロリダでスペースシャトルの打ち上げを見ました。
シャトルが打ち上げられた瞬間、真っ暗な夜空がオレンジ色に染まったのを今でも覚えています。
この体験で、宇宙や地球、生命の誕生への興味が一気に深まり、研究者を目指すことにしました。みなさんは、大人になったら何になりたいですか?
みなさんも、これからたくさんの体験をすると思います。
ぜひ、色々なことに興味を抱いてください。私もそのお手伝いをさせてください!

過去の実施記録

・2021年度
・2022年度

山川先生による水銀の話は、とてもわかりやすい。小学生にとって、金属といえば、鉄や銅といった種類しか知らないのが普通で、そこに目線を合わせて水銀の特徴や便利さ、問題点を簡単な言葉でお話してくれます。そして、質問の時間にまず出てきたのが「地球温暖化とは関係があるか」ということでした。先生は特に温暖化に触れたわけではないけれど、「環境問題のうち地球温暖化なら知ってるかな?」という一言から、きっと疑問が浮かんだのだと思います。全く知らなかった新しい世界の話が、ちょっと自分の知っている世界とつながって、ちょっと広がる、という瞬間です。しかも、その疑問は研究者の中でもホットトピックスのひとつだとのこと。質問したこどもは、ちょっと誇らしげです。そう、こどもでも大人と違わず、物事の大事なところに気づくことができるのです。たねまきめぶきでは、そういう意味で、「まだこの話題は難しいだろう」という選別はできるかぎりしません。
今回も、とてもいい時間になりました。